2023-01-01から1年間の記事一覧

世の常識と異なることを書き続けることの難しさ

今朝「アゴラ」に載った私の論説に、早速、激烈な批判コメントが飛んできた。私が書いたのは、有人宇宙飛行には意味がなく、宇宙でやるなら無人機での探査や通信・観測機能などの利用に限るべきだという主旨だったのだが、宇宙開発の全てを否定する暴論であ…

気候緊急事態など存在しない

日本のマスコミでは今年の夏が異常に暑かったことなどで「気候危機」を盛んに宣伝するが、実際にはそんなものは存在しない。去年のノーベル物理学賞を受賞したジョン・F・クラウザー氏は「気候緊急事態など存在しない」という中心メッセージを盛り込んだクリ…

マスコミ報道は、しばしば真実を隠す

昨日届いた「原子力資料情報室通信」の表紙に、対馬市での住民集会の写真が載っていた。9月10日に開かれた「対馬に核のごみはいらない集い」の一コマだ。対馬市豊玉総合運動公園に一般市民や漁業関係者ら580人が参加したという。美しい自然や歴史と文化ある…

音楽談義 続き

ハイドンの弦楽四重奏曲に作品74-3「騎士」というのがある。作品74「第2アポニー四重奏曲」全3曲の最後を飾る名曲だ。その第4楽章の冒頭部は、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第4番の出だしとソックリである。両者を聞き比べたら瞭然だ。ただし話は逆で、弟子…

国際社会を見る目 続き

ウクライナ戦争をきっかけに、世界は英米側(日欧NATO・G7豪州NZなど、多くは「先進国」)と、中露を中心とする非米側にはっきりと分かれてきた。日本人の多くは、G7など先進諸国が国際社会の中心だと思っているかも知れないが、現実は違う。国連の加盟国数だ…

弦楽四重奏曲のこと

先だって、BSPで「ハイドンからライヒへ 弦楽四重奏曲の進歩」という題の音楽番組を見た。興味深い内容だったが、先に結論から言うと、ハイドンからライヒへの歩みは果たして「進歩」なのか、私には疑問に思える。 私が聴いた限りでは、弦楽四重奏曲は、最初…

はだしのゲン

漫画「はだしのゲン」(中沢啓治、中公文庫コミック版)全7巻を読み終えた。広島県で長く平和教育の教材として使われていたのが、今年になって使用中止になり話題を呼んだため、気になって全巻購入して読んでみたのだ。 読んだ感想としては、これは全ての日本…

国際社会の実相

前に紹介した「田中宇の国際ニュース解説」等から仕入れた情報をいくつか紹介する。 まず、ハンガリーのオルバン首相が最近、年次の演説で以下のような展望を述べている(https://www.rt.com/news/580129-china-overtaking-us-hungary-orban/)。すなわち「…

ラグビー談義続き

注目の日本対イングランド戦は、日本の完敗で終わった。前半は善戦したが、後半に少し疲れが出た時に突き放された。新聞にも書かれているが、詰まらないミスがあちこち出た。特に、試合開始直後の、フルバックの凡ミスは痛かった。フルバックの人選について…

国際社会を見る目

私は、国際社会の状況に関する情報の入手と分析を、主に「田中宇(さかい)の国際ニュース解説」(https://tanakanews.com/index.html)と言うブログに頼っている。誰でも読める無料記事もあるが、私は会費を払って有料の会員記事も読んでいる。購読料は6ヶ月で3…

ラグビーW杯談義

ラグビーのW杯が始まった。今回で10回目、日本も最初から連続出場している。ただし、初めは出ては負けの連続で、世界の壁にぶつかっては跳ね返されていた。しかし2011年頃から善戦できるようになり、2015年には例の対南ア戦奇跡の大逆転勝利があり、2019年に…

大晦日の弦楽四重奏のこと

コロナ渦になるまでは、毎年大晦日には東京文化会館小ホールで開かれる、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲演奏会を聴きに行っていた。3つの四重奏団が出演し、最初が7番から9番の「ラズモフスキー全曲」を弾き、次が12番と13番(大フーガは連続で弾かれる場合と…

時間論の続き

前に時間について書いたが、あの考察の元は「時間の非実在性」(マクタガード著、永井均 訳と注釈、論評。講談社学術文庫)と「時間は実在するか」(入不二基義著、講談社現代新書)の2冊の本である。実は、両者ともに私を十分には納得させてくれず、もっと現実…

今日はモンテーニュ

モンテーニュの「エセー」第1巻(岩波文庫)をやっと読み終えた。この本を買ったのは78年7月と書いてあるので、読み終えるまでに45年もかかっている。別に、ずっと読んでいたわけではなく、長年ほっぽらかしていただけだが。78年と言えば、京都での学部生活を…

始めて3ヶ月目の感想

今年の6月22日に書き始めたこのブログ。6、7月と11回ずつ載せたので、3ヶ月目の8月もそれに合わせようと、31日の今日になって無理やり書いている感じだが・・。 実は、この「はてなブログ」の正面玄関から入ると、私のブログはどこにあるのか分からない。一…

昨日の続き

仏教哲学での時間の捉え方は、前回書いた私の考えに近い。と言うより、以前から考えていた時間への考え方が、仏教思想を学ぶことでより強化されたと言える。 キリスト教などの一神教では、創造主たる「神」が全てを創ったと考え、時間は宇宙の創造から最後の…

時間は実際に存在するのか?

「時間は存在するか」という問題は、物理学や哲学では昔から重要問題だった。現在の物理学では、速度や加速度などの概念は全部、数学的には変化量を時間で微分する形で記述される。従って「時間」は実在する物理量であると普通は思われているが、本当にそう…

生命現象について考える

宇宙開発の目的の中に「生命の起源を宇宙に探る」というのがよく出てくるが、私にはナンセンスな言い分だと思える。なぜなら、もし生命の起源が地球外のどこからかやって来たとしても、じゃあ、その生命はどこでどうやって生まれたのか?と言う疑問にぶち当…

今日は学術的なお話

アゴラに、銀河宇宙線と高層の雲の生成を論じた研究論文の紹介記事を作って送った。専門外の論文なので読むのに苦労したが、世の中に広く知らせるべき価値のある論文と信じて、頑張った。なぜ価値があるかと言えば、この研究はIPCCなどが信奉する、地球温暖…

今日はスポーツ談義

女子サッカーW杯は、スペインの初優勝で終わった。白熱の好ゲームだった。勝ちたい一心からだと思うが、少し手荒いプレーもあった。日本のなでしこなら、あんなラフプレーはしないはずだ。全体として、スペインがゲームを支配していたから1−0は順当かも。両…

平均律雑感

バッハの平均律クラヴィア曲集は、若い頃からずっと聴き続けてきた。最初に聞いたのはリヒテルの全曲版LPで、全6枚を少しずつ買い揃えて行った。当時の貧乏学生にとって、1枚2000円のLPは高価な買い物だったのだ。リヒテル盤は、豊かな響きで風格を感じさせ…

今日もあれこれと

孫台風が、やっと通過した。楽しくもあり、エネルギーを吸い取られもした。やれやれだ。 なでしこジャパンは惜しくもスウェーデンに負けてしまったが、2点目の長野のハンドは疑問が残る。あれは、サッカー規定にもある「予期せず当たったハンド」に相当する…

なでしこ 頑張れ!

明日からは「孫台風」が襲来する。しばらくはブログを書けそうもない。今のうちに・・。 女子サッカーW杯も佳境に入ってきた。私は「なでしこジャパン」の、かなり早い時期からのサポーターである。記憶にあるのは2003年、北朝鮮との凄まじい激闘の末に敗れ…

話すことを試験する・・?

全国学力テストで、英語の「話す」で0点が6割、正答率が12%台とか出ていた。問題が難しいと言う声もあるようだが、それ以前に「話す」ことは試験に適するのか?と言う重要問題がある。断っておくが、「英語だから問題」なのではない。何語でも、言語である…

今日の雑感、考察

誕生月が終わり、8月になった。来週には娘が孫たちを連れて帰省する。テンヤワンヤの日々になるだろう。連中が帰る頃には、エネルギー、吸い取られているかもなあ・・。上の孫には将棋と、あと英語を少しでも教えてやるか。 それはともかく、昨日は柄谷行人…

芸術に救われたこと

大学時代に、失恋をした。自分の感覚では、ある男に彼女を横から「かっ掠われた」ような感じだった。その後は、失意の日々が続いた。惨めな敗北感に打ちのめされ、生きている意味を見出せなかった。今なら、たかが失恋じゃないか、なのだが、当時はそんな気…

音楽の愉しみ 2

バッハの平均律第2巻の第20番フーガを聴くと、私は必ずベートーヴェンのピアノソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」の終楽章を思い出す。曲想が似ていると感じるからだ。私の勝手な想像だが、ベートーヴェンはこの曲(No.29)を作る際に、バッハのこの曲を参…

音楽の愉しみ

私が日常的に聴く音楽は、西洋古典音楽とロック、特にヘビーメタルである。両者は対極的な位置にあるように見えるが、私にとっては共通性がある。それは、感傷性を排した音楽であること。センチメンタルな、お涙頂戴音楽は、避けて通る。単なる絶叫調も、ダ…

人生の愉しみ

生きていて良かったと思える瞬間は数多い。結婚して娘が生まれた日のことは今でも昨日のことのように覚えているし、その娘に孫たちが産まれて、私の人生はさらに「良く」なった。 私の今の切なる願いは、孫たちが大きくなった頃に、幾らかでもマシな世の中に…

生の意味

以前に、生きていることには意味があるが、死に意味はないし、意図的な「死の意味づけ」には危険な面さえあると書いた。では「生きている意味とは」何だろうか? これに似た問いとして「何のために生きている?」がある。これは最近のNHKで「哲学的街頭イン…