今日もあれこれと

1)世の中は「シルバーウイーク」で浮かれているけど、うちは関係ない。明日も23日も普通に透析だし。連休のために海外送金が遅れるのが痛いだけだ。大型台風が近づいているので、明日以降の天気が多少心配だ。透析の荷物が多くて傘をさすのが大変なので。

2)マスコミの利上げ報道は、偏った内容が多い。二言目には「住宅ローンの値上がり」ばかり言うが、今は住宅ローンより物価値上がり阻止が優先課題のはず。今回1.25%まで利上げしたが、世界水準で見たらまだまだ低い。米国でも3%台だし多くの国で2%以上は維持している。日本だけが異常に低金利である事実を伝えていない。

 日米の金利差がこれだけあると円安は解消されず、物価高を食い止められない。日銀は今後も断固たる態度で利上げしなければならないはずなのに、髙市からの圧力で腰砕けになっている。植田総裁って、何だかんだ言って度胸がないなあ。日銀は独立機関のはずなのに。米国でさえ、円安是正をしろと言っているのだから、髙市なんかに遠慮せずしっかり利上げすれば良いのだ。

 昨日のTBS「報道特集」でも、利上げは良くないことだと言わんばかりの報道で、実にガッカリした。そもそも出てくる例が、6000万円の住宅ローンを組んでいるカップルとか、1億円の融資を受けている大規模農家とか、例外的なものばかりなのだ。今どき、勤労世帯で6000万円のローンを組める人間が何%いることやら。毎月の返済だけで30万円近いだろうに。1億円の融資を受ける農家だって、ごく一握りしかいない。むろん彼らのように借金額が大きければ、利上げの打撃が大きいことは確かだが、それ以上に諸物価の高騰が大きいはずで、それは主に円安から来ているのだから、円安の是正が結局は早道なのだ。それには現状、大幅な利上げしかない。この報道でも、利上げが円安是正のためだということを一言も言わない点が「偏向」なのだ。利上げに悪性のイメージを付けることしか狙っていないみたいだから、これは経済学的にも誤りだ。どうやら最近の報道は髙市政権に遠慮して萎縮しているように見えて仕方がない。以前の総務相時代に電波止めるぞと脅されているからかな?

 世の中には、インフレが進むことを望む者がいる。財務省と大企業だ。一般国民には、インフレは良いことが一つもない。髙市は、大企業に支えられているのでインフレを止める気がない。だから利上げなどしたくない。しかし今度訪米してトランプに会ったら、きっと嫌み言われるはず。もっと円高にしろ、と。その時、何と答えるのかな?

 そういえば、9月5日の「報道特集」にも批判があった。「核のゴミ」最終処分地関連報道で、反原発の田中一郎氏が書いていた。その内容は次の通り。「今のTVのニュース番組は、NHKも含めて、どれもこれも壊滅状態で批判力ゼロ、政府・財界・支配権力御用の広報か、どうでもいいくだらない話題ばかりのゴミ放送となり、最近まではTBSの「報道特集」だけが唯一、見ておいた方がいいかなと思う内容のものを放送していました。しかし、ここにきて、この「報道特集」もまた、批判力ゼロで政府御用の「マスごみ」番組に転落してしまったようです。(中略) 茨城県常陸大宮市の鈴木定幸という「原発タカリじじい」の市長が、高レベル放射性廃棄物の最終処分場の文献調査受け入れを表明したというニュースを追跡しています。市民に相談することもなく、ほんの一握りの人間だけで内々に事を進め、公表した記者会見では「20億円が欲しかったから受け入れた」というようなことをヌケヌケと発言しています。そして番組では、これを巡り、同市内外の賛否の動きを丁寧に追うかと思いきや、そんな取材活動は一切を放り投げて、この「原発タカリじじい」どもに金魚のフンとして連なる連中の戯言を取材と称して放送していました。番組には「反対」の声を挙げる市民や運動は誰.一人として登場していません。呆れた御用放送です。ご丁寧に、北海道の寿都町や九州の玄海町の「原発タカリじじい」どもまで登場させ、のんきに「寿都いい街」なんてサイトを運営していた人物のところに厳しい批判が大量に寄せられたことに腹を立てながら驚いている様子も伝えられていた。その伝え方は、ヒドイ誹謗中傷だ、と言いながら、です。あほか! と言いたいですね。

 詳しくは別途申し上げますが、核ゴミ処分場を造らせないし、調査もさせない、という態度を徹底することで、原発は間もなく運転ができなくなります。使用済み核燃料がたまりにたまって置き場所もない状態になるからです。それを「報道特集」の御用キャスターは、原発で電気を発電して使ってきたのだから、核ゴミの最終処分場が必要なのは当然のことだ、などと解説をしていました。冗談ではないわ、です。まるで日本の有権者・国民が原発を切に望んできたかのような言い方ですが、そんなことはありません。一億総ざんげのような言論を放送で視聴者に押付けるなということです」と続くが、ここまで。

 この田中一郎氏の批判は、極めて真っ当なものだ。私は彼の意見に全面的に賛成する。

3)近ごろ橋下徹のテレビ出演が減っているのは、彼の髙市批判がキツ過ぎるからじゃないか?(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/393239)との興味深い記事が出ている。なるほど、そうかも知れない。橋下はあまり好きなタイプではないが、髙市批判は確かに鋭かった。痛いところばかり突くしな。髙市と維新は仲良しだが、その点にも橋下は厳しかった。最近の橋下は、維新に対する批判もかなり厳しく言っていた。維新の創業者なんだけど、最近は少し距離を置くと言うか結構批判もしていて、オヤと思うことも多かった。それで、髙市に睨まれているのかも知れない。上記田中一郎氏の発言にもある通り、今のTV局は腰抜けばかりだからな。

4)青柳先生の9月19日付けブログ「第三次世界大戦の態様 ハイブリッド戦争と非線形戦」(https://rakitarou.hatenablog.com/entry/2026/09/19/102819)は、軍事専門家による非常に示唆に富む内容だった。無知な私などは、戦争に線形と非線形があることも、ハイブリッド戦争と言う言葉も知らなかった。ましてや、C4ISRなどの高度な軍事記号が分かるはずもなかった。詳しくは同ブログを参照して欲しいが、この中には我々日本人が是非知っておかなければならない知識がたくさん散りばめられている。中でも印象的な表現として、次の言葉を挙げておきたい。曰く「標的となった国や国際社会に、矛盾する情報や偽情報を大量に流し込み、「何が真実か分からない」「誰が味方で誰が敵か分からない」という機能不全状態(カオス)を永続的に作り出すことが目的化します。相手が勝手に内部崩壊すれば、自国はコストを払わずに相対的な優位に立てるからです。」これが「非線形戦」の典型的な形であると。

 そして最後に「グローバリズム巨大資本=「帝国」が仕掛ける「非線形戦としての支配」からの防衛も考える必要がある」との、とても重い指摘がある。この指摘の意味を、真に理解している日本人は、どれだけいるのだろうか?当然ながら、ごく少数に留まっているだろう。何が問題なのかさえ、認知できない人間が圧倒的多数だろう。前に書いた陰謀論関連の考察も、この問題に繋がってくる。陰謀論Bは正に「何が真実か分からない」状況を作り出すのに有効な手段であるから。

今日もあれこれと

1)ベルリンの会議には招待講演者として出るけれど、参加費は別途に要るんだそうだ。1100ユーロ、大体20万円請求された。まあ、交通費などが支援されるそうだから、この程度は仕方がないかなと思う。カード支払いは受け付けてないので銀行へ手続きしに行ったら、海外送金は今は直接窓口受け付けしてなくて、インターネットで申込みして再来店の予約しろだと。しかも、3営業日以降でないとダメとのことで、来週は連休続きだから3営業日は18、24、25日となり来店可能は最短28日になる。実にアホらしい。来店時にはマイナンバーだの顔写真付き身分証だの要るらしい。まったく、善良な一般市民もテロリスト扱いなんだから厭になる。国内送金と同じようにさっさと送れば良いのに。どうせ送金記録はバッチリ残るのだから、何か怪しい点があれば後からでも捜査できるのだし。それに、何かと不親切なインターネット手続きで、えらく時間を取られて損した感じ。

 それはともかく、昨日の透析中に当該論文をじっくり読み直し、我が論文ながら結構面白いと改めて思った。その後の研究成果も追加すれば、なかなか興味深い発表になると確信する。この成果が世に出るのは嬉しい(論文自体はとっくに出ているけれど)。そもそもこんな研究、日本じゃ誰も見向きもしていないから。

2)高校教師が生徒と一緒に空き巣に入ったとか、最近の世の中、訳の分からん事件が多すぎる感じ。裁判所とか中央官庁の役人が盗撮や万引きして捕まったり。この種の案件はやった犯罪で得られるものと捕まって失うものとの落差が大きすぎるので、何でこんな犯罪に手を染めるのか理解できない。特に盗撮とか下着ドロとかは、犯罪自体の矮小さに比して捕まったときのダメージが大きすぎるので、全然間尺に合わないんだが。こんな犯罪で一生を棒に振るなんて。もっとも、そんなことを考える奴は犯罪に手を染めないけど。

3)自衛隊の無人偵察機が墜落した件、色々と興味深いが、情報はほとんど出てこないだろう。何せ軍事的機密情報なので、うっかり話すと相手には色々とバレてしまうからだ。現場は鳥取沖なので、朝鮮半島が近い。中国・ロシア・北朝鮮などは、この事故を素早く探知したはずだ。何しろ、彼らも日本がどんな偵察活動を行っているか熟知しているはずなので。だから心配なのは、こいつらに機体を回収されて、内部の機密情報がダダ漏れになることだ。むろん空自もそんなことは百も承知で、血まなこになって機体を探しているはずだが。最新機器なのだから、異常が起きたらすぐに知らせるとか、墜落しても位置を知らせるとかの機能は付いていなかったのかな?普通の旅客機にも搭載されているのに。それに、1機170億円というから、安くはないわなあ。

 空中偵察機といえばエーワックスという大型機が常時飛んでいて哨戒している。浜松基地はこの機体の離着陸地だ。故に、中露などと本当に戦争になったら浜松基地にもミサイルが飛んでくるだろう。この機体は比較的低空を飛んでいるが、無人機の方は高度2万mと言うから凄く高い。つまり、この無人機はエーワックスよりは高く、人工衛星よりは低い高度で哨戒活動を行っているわけだ。何を探っているんだろう・・?今ならスパイ衛星が山ほど飛んでいて、しかも解像度も凄く高いから、画像情報に関しては不足しないはずだが、こんな機体を飛ばす意味と言うか必要性が何かあるんだろうな。画像でないとすれば、飛び交う電波の情報とか?でも通信傍受ならエーワックスの方が得意そうだけど。まあ、無人機なので36時間も飛び続けられるのが利点なのかも知れないが。

4)内閣改造、林は残ると言われていたが閣外に出た。本人の意向だったのか髙市の意向か分からないけど。でもまあ、これで林は動きやすくなったことは確か。自由の身で好き放題やるのがよろしい。期待された女性閣僚は増えなかった。総務会長も有村が交代したし、今回の改造で女性役員は却って減った感じ。スキャンダルの文科大臣とか無能な農水大臣などが交代になったのは、ある意味で必然。多少は人員を入れ替えないと新味が出ないのに、主要ポストは全部留任だから。全体的に、新味は少ないのは無理からぬこと。

 今回の改造で、敵味方がはっきりした観がある。参院で石井、内閣では閣僚の林を切ったことで、髙市は明確に敵味方を区別したと思う。それが吉と出るか凶と出るかは、今後のお楽しみ。

5)嶋崎氏の新作論文を読みながら、いわゆる「陰謀論」についてあれこれと考えてみた結果は、以下の通り。

 「陰謀論である」として断罪している言説そのものが、何らかの意味で歪んだ認識によるものでないと保証する根拠は何だろうか?

 例えば烏谷が言う「日本の原子力政策が『原子力ムラ』によって支配されてきたという陰謀論的思考が強く入り込んだ言説」という言葉自体、日本の原子力政策の現実を正確に捉えたものと言えるだろうか?私の認識では、日本の原子力政策を基本的に支配してきたのは米国で、その下で政・官・学・産が強固な利益共同体を組織して「原子力ムラ」を形成し、それが日本の原子力政策を動かしてきたのが事実であり、上記の言説は陰謀論でも何でもないのだが。

 また秦は「コロナウイルスの研究所起源説は「根拠があやふやで不確実な言説を受容している」とするが、新型コロナが自然発生であるとする科学的根拠も十分ではなかったはずだ。なぜ一方だけが「陰謀論を受容する心理的素地がある」と決めつけるのか?

 つまり「陰謀論だ」と言いつのる行為自体が、ある種の陰謀論でもあり得るわけだ。嶋崎氏の論文でもその点は触れられているが。そこで、私は陰謀論そのものに対する概念の再整理が要るように思う。つまり「陰謀論」の再定義だ。

陰謀論A:「Qアノン」暗躍説などのタイプ・・典型的な「陰謀論」だが、事実に照らせば真偽の程度がある程度はっきりするもの。例えばDS(Deep State)の概念は、一見、荒唐無稽な陰謀論のように見えるが、青柳先生の言われるグローバル官民パートナーシップ(G3P)の概念を用いれば、各国政府・機関の上に君臨する政策立案者・政策発行機関が存在し、それが事実上のDSであるとして不思議はなく、これは陰謀論とは言えない。片や、3.11や阪神淡路大震災などが人工地震だったとか、気象兵器の活用で異常気象が生じるといった説は、私の目には一種の陰謀論に見える。本当の真偽は不明だが、現代の科学に照らして、実際に確かにそうだと言える証拠がないと思えるので。

 ただしこのタイプは主体的な何かの主張があり、中身は玉石混淆で嘘も真もあるだろうが、何かを積極的に主張しようとする態度がある。その中身自体は、事実関係や科学法則で検証すべきものだ。「こんな見方もあるのか」という「気づき」を与えてくれる面を持つ。

陰謀論B:隠れ蓑としての、あるいは言論封殺手段としての、レッテル貼りの道具としての、何かの言説を「陰謀論」と呼ぶタイプ。これらに共通するのは、主張の前に対象となる言説・主張があって、それを否定・攻撃するために「陰謀論」と呼んでレッテル貼りをすること。こちらも事実に照らせば真偽の程度がかなり明確になるのだが、このタイプの場合、目的は相手の否定・攻撃にあり、事実として正しいかどうかには重点が置かれない。気候変動や日航123便事件などに関する論説への「陰謀論」呼ばわりは、大半がこの部類に属する。その言説によって何かの真実が隠される場合、それによって誰が利益を得るかを考えれば、真の発信元が大体分かる。犯罪の動機を探るには、それによって誰がどんな利益を得るかを考えれば良いのと同じこと。

 一般的には、権力が「不都合な真実」を隠したい場合、マスコミや学術団体の専門家集団を動員して「検閲産業複合体」を形成し、告発する言説を陰謀論扱いすることで葬り去ることを意図するケースが多いと思う。つまりこれらは全て、陰謀論Bを生み出すためのメカニズムなのではないのか?権力や大資本の手先としての。

 このように概念整理をした場合、社会的に問題なのはもちろん陰謀論Bの方であり、それに対抗するには「部屋の中のゾウ」に書かれた論点が、より重要になるはずだ。つまり組織に縛られない自由な個人が、市民記者として真実を求めて取材し発表する行動が、重要性を増すのだ。むろん、ここでの概念整理は嶋崎氏の論文の観点と少し違っているので、議論の進め方にも違いが出てくるとは思う。

今日もあれこれと

1)ベルリンでの透析施設は決まっていないが、99%予約可能ということで、行くことに決めて先方に連絡した。今後、航空券や宿泊先などが手配されると思う。日程は10月28日が発表なのでその前後27日と29日を透析日として、その周辺で移動日を決める。一番便利な空港はセントレアだが、ここからの欧州便はヘルシンキ行きしかない。以前の静大の欧州遠征でもヘルシンキ乗り換えは何度も利用したものだ。Fin Airは、なかなか快適なので好きな航空便の一つ。ヘルシンキ空港も快適だ。ヘルシンキ→ベルリンは多分あるはずなので、そこで乗り換えするかも。ルフトハンザは不親切で良くなかった。手荷物が破損したときの対応などが酷かった。フランクフルト空港もただ広くて機械的で殺風景な印象で良い想い出がない。米国系航空会社も、一般にサービスが粗い印象がある。

 なお、セントレアから南回り便は出ていないみたいなので、アフリカのタンザニアへ行く場合は別の空港になるかも。いずれ行くとしても28年以後のはずなんで先の話だが。

2)沖縄県知事選挙は予想以上の大差になってしまった。基地問題に疲れ果て、経済成長に望みを託すほかに選択肢がなくなったと感じた県民が多かったんだろう。案の定、保守勝利が決まるとすぐに沖縄振興基金が増額された。まさに「札束で横面を張り飛ばす」ごとき振る舞いだ。カネがすべて・・。共産党の田村智子が記者会見で悔し泣きをして、良い根性を見せてくれたのが僅かな救い。彼女の「ホントに情けない政権・・」との言葉に実感がこもる。

 これからの沖縄がどうなるか、注目したい。保守系知事が誕生しても、米国側文書で明らかなように、辺野古の基地が出来上がっても普天間飛行場は簡単には返還されそうもない。滑走路の長さが800mも足りないから。それに辺野古は2030年でも完成するかどうか分からない難工事。泥沼の状況が続く。より根本的には、戦争のやり方が変化してきて「海兵隊」なんぞが実際に戦場で活躍するかどうか分からなくなったこの時代に、辺野古に無理やり海兵隊の基地を造る意味があるかが問われるのだ。

 確かに沖縄の問題は「基地」だけではないが、米軍基地問題が土地利用その他、沖縄の発展を阻害していることは事実なので、基地負担を減らす努力の必要性は変わらない。もちろん、大前提として、米国への隷属構造を変えて行かなければならない。それは国民の意識の問題が大きいのだ。

3)AIの開発速度を遅くした方が良いなどの主張があるけど、多分できないと思う。そのように主張している連中は開発速度を落とすかも知れないが、そうすると「では一足お先に」と先行する奴が必ず出てくるからだ。この種の技術開発競争というのは、行き着くところまで行かないと絶対止まらない。それが良いわけではないが、技術というのはそういう性質を内蔵しているので、好き嫌いの問題ではないのだ。

 前にも書いたが、多くの場合、技術の限界は使われる素材や元素の性質で決まる。例えば、元素表の左上は水素で、その下がリチウムなので、固体の電池材料としてはリチウム以上の元素はない。だから、リチウムイオン電池の性能をこれ以上飛躍的に上げることは難しい。これは、行き着くところまで行ってしまった例。AIの場合は、何が開発のカベになるのか現状では見えていないので、どこまで進化するのか予想は難しい。現時点でも既に、AI内部でどんな思考が行われているのか正確に把握するのは困難になっているようだし。これは計算機の性能が上がりすぎて、人間には追跡できないから。人間は入力と出力しか見ていない。どんな過程を経て出された出力か分からないけど、それを信じるか使うか捨てるかを選ぶ時代だ。その場合、人間は大抵「捨てる選択」はできないものだ。捨てるための判断材料が乏しければ、捨てにくいから。

 AI開発で私に良く分からないのは「自主的に考え学習する機能」だ。何をもって思考や学習を「自主的」とするのだろうか?AIは本質的に「プログラム」なので、誰かが何らかの意図を持って制作する。その書かれたプログラム=文字列が「自主的に考える」とは、どのような事態なのか、私には容易に想像できない。見かけ的には「自主的」と見える事があるかも知れないが、その裏で糸を操る「何か」があるとしか思えないのだ。少なくとも何らかの意図の方向性は、人間が決めているはずだ。電卓がひとりでに計算を始めるのを想像できないように、電子計算機が言われもしない仕事を勝手にやり始める事態も想定しがたいと思うのだが。

4)浜岡原発の再稼働申請を取り下げることになったが、これは中電の自滅。社長と会長が引責辞任することになったが、本当はどうなんだろうか、と言うのが私の素朴な疑問。なぜなら、現時点でも既に、原発は民間企業にとってオイシイ材料ではなくなっているからだ。国は盛んに旗を振るが、民間企業はコストや採算性などを考えるから、膨大なコストとかなりのリスクを伴う原発を、喜んで受け入れているわけではない。むろん国は各種の交付金などのアメを用意して電力会社に原発を増設させたいのだが、地元もうるさいし廃棄物問題も未解決で、本音ではあまり乗り気でないはずだ。特に中電は、東電や関電と比べたら企業規模が小さく、資金運用力も彼らよりかなり劣るはずだ。あまりに大きなリスクは負いたくない。だから今回の中電も、うがった見方をすれば、自滅的な操作をしてグズグズ足踏みをし、先延ばしして時間稼ぎをしたのかも知れないと思う。実際、今回の不祥事は経産省や原子力委が暴いたのではなく、中電が自発的に報告して明るみに出たので、その経過を見ても何だか不可解なのだ。八百長臭いというか自作自演というか・・。

5)今日は配偶者の誕生日。9月15日は長年「敬老の日」だった(1966~2002)ので、子供の頃から本人は厭な思いをしてきたそうだ。日付ではなく9月第3月曜と決まったのが2003年なのでずいぶん経っているのだが、敬老の日と言えば9月15日が染みついている感じ。実際、老人福祉法による「老人の日」は9月15日だし、老人週間も今日から1週間だ。だから、9月15日は「老人」と縁が切れないんだろう。我々も、自覚的にはともかく傍目には立派な「老人」なんだろうし。少なくとも「高齢者」には入るから。

6)昨日は透析の最中に嶋崎氏の新しい論文を熟読し、陰謀論についてあれこれと考えをめぐらせた。昨日の透析では栄養指導その他、あれやこれやで読書はあまり進まなかったが、感想をまとめて同氏に送ろうと思う。これも先月からの約束なので、そろそろ果たさないと義理を欠く。その後、植草氏新刊の書評を書き、ベルリン発表の準備をして、12月の面接授業の準備にも取りかかる。新著「カーボンニュートラルと言う呪文」の作成が遅れている。今年も9月半ばになってしまった。年内に何とか格好をつけたいと、気持ちだけは焦るが・・。

今日もあれこれと

1)タンザニアの研究者とかなりのメール量のやり取りをして、お互いの理解がかなり深まった。この人たちは私の論文をしっかり読み込んで内容を理解している。理解力と熱意は相当に高いと感じた。「透析できるなら行っても良いぞ」と書いたら早速、タンザニアでも透析は可能だと知らせてきたし。今はプロジェクトの提案段階なので今後どう進むか分からない。採択されても始まるのは28年なので、少なくともそれまでは元気にしていなければと思う。

 アフリカは行く機会がなかったから、もし行けたら行ってみたい。実際には、行くのも結構大変だと思うけど。多分、南回りコースでドバイとか経由してまずエジプトのカイロに行き、そこでアフリカ便に乗り換えると思う。タンザニアはケニアの南隣で近そうに見えるが、アフリカ大陸は何しろ広い。カイロから飛んでも数時間かかるだろう。

 一方で、近々のベルリン行きは、透析施設が決まらないのでまだ未定。あまり遅くならないうちに学会主催者に返事を出さないと行けないので、気を揉んでいるが自分でやれることはないのでただひたすら待つのみ。

2)今度の内閣改造で林が留任するらしいが、これは髙市の意地悪ではないかとの見方がある。今朝の新聞に載っているが、総務省の役人たちが内部チャットを公開請求されたら削除してしまった件で、おそらく秋の国会で追及されるから。林に総務相を続けさせて、国会追及の矢面に立たせて、上手くしのげなければ詰め腹を切らせる魂胆なのではないかと。いかにも髙市の考えそうなことだ。髙市はかつて総務相だったから、この役所の内情を知り尽くしているはずだし、追及がそちらに集中して自分自身に向かわないでくれるのを望んでいる。実際はこっちが疑惑まみれなのに。林は飛び出すチャンスだったのに勇気がないのか髙市の言うなりになった。胆力がないなあ、と思える。人生には、乾坤一擲、勝負に打って出なければならない時がある。そこでビビる奴にチャンスは来ない。

3)トランプが、共和党が勝ったら大人一人当り5000ドル=77万円強を配るなんてバカな話をしている。180~200兆円かかるらしいが、こんなカネを一度に世の中に出したら多分必ずインフレになる。むろん財源問題もあるけど。まあそれ以前に、投票行動をカネで釣るって買収行為そのものなので、明らかに選挙違反だけどな。しかしトランプにとっては、法律なんて有って無きがごときもので、そんなもんどうにでもなると思っている。つまり「法の支配」ではなく「人の支配」なのだ。米国はもはや法治国家の体をなしていないと言えそうだ。完全に「ならず者国家」に変貌している。

 英国、カナダなどがイスラエル制裁その他で結束しつつあることが注目される。ちょうど今、BRICSの会議も開かれているし、米・イスラエルの国際的孤立がいよいよはっきりと見えてくる。トランプは相変わらず強気の姿勢を崩さないが、内心では結構焦っているかも知れない。ミサイル等も不足して「タマ切れ」状態に陥っているし。あと2ヶ月で米国の中間選挙だが、その結果次第で、今後の世界情勢はかなり変わると思う。

4)今日は沖縄知事選挙投票日。現職の玉城デニーは負ける可能性が高い。沖縄県民も、結局は「カネ」の力に屈するのだろう。あんな右翼が沖縄知事になったら、どんな悲劇が待っているやら。今回の選挙は本土からのSNS情報で振り回されたらしいし。兵庫県知事選や髙市が圧勝した衆院選と同じだ。誤情報に踊らされる国民が愚かなんだけど。

5)中島健蔵「昭和時代」(岩波新書)を読み終えた。関東大震災から終戦までを扱っているが、「昭和精神史」との落差というか時代の捉え方の相違に驚く。中島にとって、この時代は思想言論統制の締め付けが厳しく、実に息苦しい時期だったのだとよく分かる。「わたくしは、この回想の中で、できるだけ当時のありのままの社会の雰囲気を描こうとつとめて来た。」と書いている通りだ。そして、当時の「空気」に流される雰囲気に関しては、戦前・戦中・戦後を通して大きく変わっていないのではないか、との指摘は、恐らく正しい。今のSNS全盛の時代においても、深く考えることはせず大勢に流される人間の方が圧倒的多数であるから。自分の目で見て、自分の頭で考える人間は、常に少数派なのだ。中島健蔵がそうだったように。この本は「愚劣な雰囲気を育てようとするあらゆるくわだてに対しては、力を合わせて戦いぬくほかないのである。」との一文で終わっているが、1957年に書かれたこの文章は、現代においても痛いほどの実感を与えてくれる。今の状況が、まさにそうであるから。

6)山本義隆氏が「テクノファシズムと国家総動員ーー電力国家管理を軸に見て」という著作をみすず書房から出すとの予告がきた。これは、出たらただちに読むべき書だ。目次を見ただけで、現代の重要問題がほぼ網羅されているのが分かる。他にも、みすずからは魅力的な本が多数出ている。とても読み切れないけど。

今日もあれこれと

1)タンザニアの大学研究者からメールあり、都市有機系廃棄物処理の関連で協力してくれないかとの依頼だった。どうやら日本のJSTが関与する国際プログラムの一環らしい。コンポスト(堆肥作り)の研究などやっている人間は少ないから、白羽の矢が立ったんだろう。今回のベルリン発表も、その関連だし。最近の傾向で、持続可能社会作りの一環として、この種の技術が重要だと、世界的に今改めて見直されているのかも知れない。

 透析などの制約はあるが協力するぜと言う返事を出したら早速、関連資料をドッと送って来た。17頁もあるので、読むのも結構大変だ。今は自動翻訳があるので精々使おう。

 コンポストの研究論文は山ほど出ているけど、大半は回分実験(1回仕込んで、あとはそのまま推移を追いかける)によるもので、連続操作の研究はごく少ない。実験が大変だから。しかし実際のプラントは大半連続操作なので、本当はプラントエンジニアリング的な研究が要る。その関連で詳しい人間は、世界中でもごく少ない。日本の研究者も多くは農学系のせいか、微生物を調べたり、重箱の隅をつつくような「精緻な」研究が多く、実用的な工学系の研究が少ないのが実情だ。そんな研究テーマでは研究費がもらえないから。私とて、現役時代は科研費など1度しか当たったことがなくて、研究費は企業と組んで稼いでいたのが実態だ。「今流行の」研究にしか、光が当たらないのが現実なのだ。

 今回の件も、英語で研究論文を出していたから読んでくれる人間がいた。しかも、アフリカの。もし可能なら、現地に行って見たいものだ。アフリカでも透析できるなら、の話だが。岸惠子もアフリカに行って貴重な体験をしたと言っていたし。衣食住、結構大変だと思うけど。定年してから5年も経って、こんな経験するとは思わなかった。感無量だ。

2)沖縄でPFAS汚染があって、米軍基地が汚染源だと米側が認めていたのに、日本政府は3年間も公表してこなかった件がバレた。23年には明らかになっていたのに。これを見ても、日本政府って日本国民の健康や安全よりも米国の顔色を重視していることが明らかだ。一体、どこを向いて仕事をしてるんだ?全くふざけやがって。国民の税金で食わせてもらいながら、国民に奉仕しない奴ら。その役人根性は、根本的に腐っているんだな。

 大体において、日本の(に限ってではないかも知れないが)組織と言う奴は、何かにつけて情報を隠したがる。警察や自衛隊はもちろん、行政関係でも情報公開請求を出してやっと出てくる、あるいはそれでも黒塗りで出てくる情報が多い。一般国民が知っておくべき情報の大きな部分が、行政機関や大手マスコミに隠されているのが実態なのだが、そのこと自体、多くの国民は気づいていない。だから、本当は騙されていることが分からない。そして、それを気づかせようと努力する少数者は、しばしば「陰謀論」のレッテルを貼られたりして迫害さえ受ける。嶋崎氏の新しい論文はこの件を扱っているのだが、これらについて、論文を読んだ感想のまとめをかねて、書いておくつもりだ。

3)「15歳の国際学力調査」の結果を見ると、あれこれと興味深い。3科目とも、1位と2位は北京・上海の中国勢とシンガポールだ。3位4位はマカオと台湾。日本は読解力だけ4位で他は5位。それでもTV報道では「OECDの中で全科目トップ」とか宣伝してたけど。確かにOECD38カ国を含む全91カ国での順位なので4~5位は悪くはないが、中国とシンガポールに負けているのが気になる。学術論文の引用数でも、この2国には完全に遅れを取っている。それに、科学的応用力に関して、学ぶのが楽しいとか興味があると答えた割合がOECD平均より低い。学習意欲は低いが、何とかトレーニングでレベルを維持しているって感じ。もっと、学ぶことや問題が解ける楽しさが前面に出てきて欲しいものだが。学力の中で「読解力」にも問題がある。速く正確に読む能力が低下傾向なのだ。スマホばかりいじっているのだから無理もないけど。

 それに、日本からの参加者は6500人だったとあるが、こんな参加数で日本全体の15歳の傾向がつかめるものなのかどうか疑問だ。その6500人をどうやって選んだのかもあるけど。2024年の日本人の15歳は147万人いたのだから、そのうちの6500人では0.4%にしかならない。こんな比率ではなあ・・。せめて5~10%くらいを取らないと、母集団の特性を、統計的有意性をもって正確に推計できないような気がするんだが。抜き取り検査ではもっと採取数が少なくても推計出来ているから、可能なのかも知れないが。

4)次の読書、気が変わって「昭和時代」という青版の岩波新書を読むことにした。何と1957(昭和32)年に出た本だ。著者が中島健蔵だったので、読む気になった。加藤周一の本で知る中島は、「昭和精神史」の桶谷秀昭とは、ほぼ正反対の思想的立場の人だと思うので、彼が見た「昭和」像を覗いてみたくなったのだ。まだ半分弱しか読んでいないが、期待通りの内容だ。彼は昭和の時代において、終始「少数者」を自覚しながら生きたと書いている。つまり大政翼賛会的雰囲気になじめないまま、大勢に流されることもなく冷静に周囲を眺めながら生きてきたようだ。それは、当時「大東亜共栄圏」構想を謳歌していた桶谷秀昭とは全く異なる生き方だ。それは当然、本の内容にも影響していて、昭和という時代をどう捉えるかという問題に直結している。

 本の冒頭、関東大震災時に「鮮人」を暴行する日本人を見て吐き気を催したことが書いてある。そして、町衆が暴徒化した原因が警察が掲げたポスターにあることを明記している。これらの事実は重要なのだが、現在に至るまで真相は明らかにされていないし、日本政府は当時の状況を明確に示さずにいる。問われても答えないところを見ると、確信的に真相を隠しているのだと思う。

 小池百合子が都知事になってから、当時虐殺された朝鮮人に対する慰霊の言葉を送らなくなったことも、この日本政府の態度と通底するものがある。その実態に迫るために、「ちくま」に連載されている「歴史破壊の現場から」を、今後も読み続けなければと思う。

今日もあれこれと

1)ベルリンでの学会講演の件、先方に「可能性を探る」旨の返事したら大喜びしてくれて、熱意が伝わる長文メールをもらったので、本気でベルリンでの透析先を探すことにした。一般社団法人旅行透析というのがあって、今はそこへ問い合わせているところ。今の時代、オンライン会議もありそうだが、先方のメールではin person(直接自分で、じかに)を重要視しているようだ。講演会場で直に聴衆と会話するのが大事なんだと思う。

 昨日、配偶者が娘と長電話した際にこの話をしたら、娘は「オンラインで良いはずなのに、本当は行きたいんだね」と言っていたとか。娘には考えていることが丸わかりだな。

 今朝起きがけにウトウトしながら発表内容をあれこれ考えた。英語が頭の中を駆け巡る。今回は30分話させてくれるそうなので、内容充実の発表にしたいと思う。実際、国内学会より国際学会の方がずっと楽しい。英語で話す方が、直接的でハッキリものを言うから本音でやり合えるので。日本語だと変に回りくどい表現とかで、あんた何聞きたいの?と聞き返したくなることがあるが、ネイティブでない英語話者は婉曲表現なんて出来ないから、実にハッキリと言う。だからこっちも答えやすい。遠慮なく言えるし。

 ただし、旅行透析の資料によると、海外透析の準備には普通2~3ヶ月かけるのが普通だそうなので、実質あと1ヶ月半ではチト厳しいかも知れない。学会からのメールでも、最終決定の知らせを、できれば1週間以内にくれ、と言っている。航空券の手配等を考えたら、それも無理ない話だ。しかしそれもこれも、招待メールが来たのが9月1日だったことに全ての原因がある。そもそも話が急だったのだ。1週間前までは夢にも思わなかった事態になっていて驚く。これもまた人生の面白さだが。

 同じ時期(10/20~22)にポルトガルのリスボンでやる国際学会に来ないか?とのメールも来たが、こっちは援助がないので行かない。南欧は行ったことがないのでリスボンには結構興味あるけれど。去年11月に大阪でやった学会の続きみたいだが、あの学会は張り切って行ったのに、中身的にかなりガッカリしたことも行かない要因にある。

2)北陸新幹線のルート選びで国交省が「八百長」をやっていたと今朝の朝日一面に出ていた。まあ多分、自民党の議員が国交省の役人に圧力を掛けて、自分たちの主張に有利なように資料を作らせたんだろう。完全に、政と官の癒着。普通に考えて、小浜京都ルートは米原ルートより工事費が高くつくことは明らかだったのに、無理な計算で辻褄合わせをして前者が有利なように仕組んだのがバレた。実に愚か。

 客観的には大深度トンネルが不要な米原ルートが良いに決まっているのに、変な利権が絡むと話がややこしくなる。それに委員会には「学識経験者」はいなかったのだろうか?彼らはキチンと客観的に正しい意見を述べたのだろうか?それとも単なる「委員屋」に過ぎなかったのだろうか?もし後者ならその人は御用学者=曲学阿世との誹りを免れない。

3)人類の夢は三つあって、賢くなること、宇宙に行くこと、それに不老不死だと、とある東大教授が言っているけど、そうかなあ・・?しかも彼は、そのうち賢くなることはAIの発達で、宇宙へはロケット開発等で可能になったので、あとは不老不死が課題なんだと言う。いやいや、そんなはずはない。AIが発達したって、賢くなったのはAIの方で、人類じゃないし、宇宙へ行くなんて言っても、月にさえ容易に行けず地球の周囲を廻っているだけだ。それに不老不死を願うのも愚か。二千年以上前にお釈迦様がたどり着いた叡智の境地にさえ、今の人間は遠く及ばない。全然、賢くなっていない。そもそも、お釈迦様は不老不死なんて願わなかった。生き物の世界は、生まれて死んでを繰り返すことで続いてゆくものだ。どこかで死ななくなったら、その循環が止まってしまう。だから、そんなことを願うべきではない。しかも富裕層だけがそれを願うなんて不埒の極み。この東大教授、大丈夫なん?

 茨木のり子の「死は常態 生はいとしき蜃気楼」との言葉こそ正しい。人生なんて長くても100年以下、生まれてすぐ死ぬ子もいる。まるで蜃気楼のように儚い。しかしそれは「愛おしい」のだとの彼女の言葉は、正しくかつ美しい。お釈迦様も同じことを言っている。すべては「空」で実体がなく虚しいものだが、しかし「慈悲と利他」の心を持てと。

4)日航123便関連の記事の件を、JCJ(日本ジャーナリスト会議)に書いて送ったら、1件だけ反響があった。この団体にも、まだそんな人がいたんだな、と嬉しい。

5)この前NHKスペシャルで「円安に物価高 どうなる日本ー専門家たちの集合知で迫るー」との番組をやっていたので見たが、完全に期待はずれだった。円安の大きな原因がドル円の金利差にあるのだから、まずは金利差を縮めるための利上げをすべきなのに、利上げするとデメリットがあるのどうのこうのと理屈を並べて、利上げを積極的に支持しない。また消費税その他の「積極財政」がマーケットの警戒感を呼んで、それが円安要因になるとして、実質的に緊縮財政を勧める論調になる。これでは財務省のお抱え番組と言われても仕方がない。正しくは、植草ブログ9月5日版に書かれている内容を参照するのが良い(http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2026/09/post-b23524.html)。以下、そのまま引用する。

a)日銀はインフレ抑止を基本に置いて必要な利上げを躊躇なく断行するべき。

b)日銀がインフレ抑止のスタンスを明示し、これと平仄(ひょうそく)の取れた政策運営を実行すれば、先行きのインフレ悪化予想が後退して長期金利は逆に低下しやすくなる。金融政策は住宅ローン金利を低位に保つために存在しているのではない。そして、その住宅ローン金利は日銀がインフレ抑止に真剣に取り組み、短期金利引き上げ策を断行することによって低下しやすくなる。

c)21年度から25年度まで続いた「緊縮財政運営」を、「中立」ないし「やや積極」に修正すること自体は間違っていない。

d)しかし、財政政策運営で最重要なのはどの方法で積極財政を実行するのかである。

e)日本政府が採るべき正しい財政政策は

 利権財政支出・軍事費の排除

 社会保障財政支出の拡大

 消費税減税

 富裕層・大企業課税の強化

 である。

f)経済的安全保障の視点から重大な危機をもたらしている日本円暴落を是正することが極めて重要

g)日本円暴落を是正するには日銀が利上げ政策を断行することが適正。

 これが正しい政策対応である。 以上、引用ここまで。

 要するに、躊躇なく大幅利上げを断行し、ドル円の金利差を縮めなければならないとの主張だ。これは、私が以前から言っていたことと符合する。NHK番組とは全然違う。

 日本は今インフレ状態で、多くの国民が物価高に苦しんでいる。これを打開するには、まずはインフレ抑制策が要る。つまり利上げ。住宅や自動車のローンが上がって困るのは主に富裕層であり、多くの国民は住宅や自動車を買う余裕がない。目先の日用品や食料の値段が重要なのだ。そして、購買力を高めるために賃金を上げる。日本の「労働分配率」は先進国内では最低水準である。企業業績は伸びているからGDP自体はプラス成長になっているのに、その「果実」の分配が不十分で、それらは主に株主への配当や内部留保に消えている。つまり富裕層にだけ分配されているのだ。ここを改善して、実質賃金を上げ、労働者の懐を温かくすることで購買力を上げるのがよい。賃金の他に年金等も上げて、一般国民を富ます。現状は、個人消費が冷え込んでいるから景気が悪いので、どうにかして個人消費を増やさないといけない。それには、所得を上げてやらないと。黙っていても大企業・富裕層はそれらをやってはくれないから、政策的にそれらを実現しなければならない。それを実行する政権が要る。髙市にそれを期待するのは「百年河清を待つ」に等しいだろう。だから、政権を変えるしかないのだ。

 不思議なのは、こんな誰にでも分かる経済政策を、声を大にして主張する政党が見当たらないことだ。必ず、多くの国民に支持されるはずなのに。誰か、やってくれよ。

今日もあれこれと

1)ベルリンでの学会招待講演の件、今なら海外透析はかなりやれるから諦めずに検討してはどうか、との東京医大・青柳先生からのメールをいただき、可能性を探ることにした。滅多にない機会だし。まあ、ダメ元で。日程調整その他、いろいろ大変そうだが。取りあえずは先方にメールを出し、最終決定期限と、もし参加可能な場合の発表日時を教えてもらうことにした。この情報がないと日程を決めることができないので。

 もし参加可能になれば、2000年3月に定年前の記念にパリでの招待講演に行くつもりで準備していたのに、直前になってコロナで会議が中止かつ渡航禁止になって全部諦めた時の再挑戦にもなる。それで、行くなら一緒に行こうと配偶者に持ちかけたが、今さらなのか、イマイチ色よい返事は来ず。まあ、行くかどうかキチンと決めてからの話だ。

2)先月亡くなった女優・岸惠子のインタビュー番組を視聴して、大いに感銘を受けた。この番組は2009年に「100年インタビュー」として放映されたものの再放送だった。何しろ90分の長丁場なので途中で区切るつもりだったが、結局一気に見てしまった。それ程に中身が濃くて、聞き惚れる内容だったからだ。聞き手の石澤アナウンサーが上手だったこともある。事前に周到な準備をしていたことが良く分かる聞きぶりだった

 岸惠子は若くして国民的スターに上り詰めながら、24歳で惚れ込んだ仏人映画監督と結婚するために単身渡仏し、映画もスターの座もあっさり捨ててしまう。そして18年後には、夫の裏切りが許せずに一人娘を連れて離婚する等々、波瀾万丈の人生だった。そして彼女はあれこれと書き始める。実は岸の本は1冊も読んでいないが、新聞等に載る記事や時事的発言から、この人の思想傾向は理解していた。常に、反戦平和主義だった。

 ブログ世に倦む日々(https://note.com/yoniumuhibi/n/n17d9b65c4443)に追悼記事が載っていて、なかなか面白かった。77年の市川崑作品「悪魔の手毬唄」での演技が最高だったと、その記事は書いている。インタビューにも出てくるが、パリでサルトル、ボーヴォワールその他、錚々たる知識人たちと親交を持っていた。ただのお嬢さん女優ではなく、立派な知識人だった。だから彼女の言葉や書く文章には、そうした背景と蓄積の裏付けがある。

 また彼女は53年の「君の名は」の大ヒットでメロドラマに限定されるのを嫌い、久我美子、有馬稲子と俳優だけのプロダクションを作っている。この辺が、並みの女優と違うところだ。同志が久我美子、有馬稲子というのも頷ける。彼女らも、岩下志麻にも通じるようなビシッと一本筋の通った、単なる美人女優ではなかったから。岸自身「私は第二の原節子、高峰秀子になるつもりはないの。だってこの人たちは、もう「いる」じゃない。」と言い放っている。もう、こんな女優は現れないだろう。正に巨星落つの感深し。

3)米国CIA長官のラトクリフが「極秘」にモスクワを訪問した件、むろんバレてしまって、色々な憶測を呼んだ。今は、正式な特使としてウィトコフらがモスクワに行っているが、それとは別の目的があったはずだ。ネット上にも、種々の説が載っている。

 青柳先生の8月30日付けブログは「米帝国:主権のない国の結末」という題で、非常に参考になった(https://rakitarou.hatenablog.com/entry/2026/08/30/113517)。まず最初に「イランにおける米国敗北の真の結末はまだ見えない」とあり、イラン戦争前に的確な予測がなされていたのに、トランプがネタニヤフに乗せられた結果、誤った方向に進んだことを述べている。その結果、米軍施設が深刻な被害を受けて大きな財政負担を負うことになったと。現在、米軍は深刻な財政危機に陥っているらしい。資金不足のために非緊急の整備が後送りになっていると(この辺の認識は櫻井ジャーナルと同じ)。

 そしてさらに興味深いのは、ラトクリフがモスクワに「秘密訪問」した理由は、プーチンが困って暴走するのを阻止する(ウクライナ戦場で膠着状態が続き、プーチンが追い詰められたとの見方に基づく行動)ではなく、ロシアが「米国は戦力不足と判断」しNATOを直接攻撃できると考えるのを阻止するためだったと見ている点だ。それは実質的に、ラトクリフが使い走りに使われたという意味になる。

 ただし、田中宇氏の見方は少し違う(https://tanakanews.com/260901ratclif.htm)。プーチンがNATOと戦争する気であることを認め、それはトランプも支持している証拠が今回の訪露だとの意見だ。これを読むと、それなりの説得力があると私は思う。

 バルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)は、いずれもNATOとEUに加盟しているので、もし露軍がバルト三国のどこかに少しでも侵攻すると、これはNATO加盟国への侵略行為なのでNATOの5条が発動され、米英独仏などNATOの大国がロシアと戦争することになり、第三次世界大戦の様相を呈する。ブログ世に倦む日々では、この点を強調し(https://note.com/yoniumuhibi/n/nb836211e261e)第三次世界大戦近しと警告を発している。EU諸国の頑迷さを見ると、この説にも一定の説得力を感じる。しかし田中氏の見立てでは、トランプは裏でプーチンと組んでいるので、色んな理由を付けて米軍を動かさない。この時点でNATOの信用が崩れてしまう。もし米軍抜きだと、英独仏が中心になって闘うしかなくなるが、今の彼らには実戦経験もなく予算不足で機能不全だ。片や露軍は実戦経験豊富。つまりトランプがラトクリフを訪露させたのは「そろそろやるのか?何するんだ?少し教えろ。協力するぞ」もしくは「こうやったらどうか」みたいな話をしに行ったのではないかと。つまりトランプ・プーチンはリクード系で、英国系のNATOを潰し無力化させたい。その点では利害が一致するはずだというのが、田中氏の見立てなのだ。ラトクリフ訪問が、ロシアが英国に対する敵視を強めたこととも同期していることもその裏付けになる。ただし今回、ラトクリフはプーチンと会談しておらず、実務者レベルでの情報交換だったと見られている。

 来年は多くの欧州諸国で選挙がある。もしその前にロシアとNATOが戦争状態に入り、NATOの5条が機能しないことを欧州市民に示すなら、彼らはNATO支持の英国系エリート支配でなく、ロシアと対話する現実路線を好む極右政党を支持するだろう。それらを見込んでのロシアの揺さぶりだとの見方には、かなり説得力を感じる。その路線が好ましいとは必ずしも思わないけれども。

 田中宇氏にはリベラル派を「リベラル全体主義」と結びつけて攻撃する傾向がある。確かに日本でも、左翼系勢力の一部には「しばき隊」みたいな暴力集団や、極端な平等主義とか民主主義をはき違えた考えの持ち主もいる。しかしそれは、本来の柔軟なリベラル民主主義とは一線を画するものだ。「リベ全」が良くないから極右を支持する、との理屈には従えない。もちろん、欧州の極右と呼ばれる政党の主張には耳を傾ける余地があり、日本の極右と一緒に扱うことはできない。ドイツのAfDやフランスのルペン派などが、欧州市民から一定の支持を受けるには、それなりの理由があるからだ。彼らの方が、欧州一般のエリート層よりもずっと現実的で一般庶民の感覚に近いのだ。その辺が日本の極右とは違う。こちらの方はひたすら戦前の体制を賛美し、それへの復帰を目指す点で現実離れしているからだ。同じ右翼でも一水会などが毛色が違う理由も、この辺にある。もっとも、前に書いたが、一水会は今では自ら「右翼」を名乗っていないらしいけれど。

 一方、櫻井ジャーナルの見方もこれらとある点で共通し、ある点で異なる。例えば8月27日の記事(https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202608270000/)では、英国などが、露軍にNATO関連施設を攻撃させ、米軍を戦場へ引き戻そうとしたのでは?あるいは、そうした流れになることを阻止するのが訪露の目的だったのでは?との見方を伝えている。他に、イランにホルムズ海峡の再開を迫るように頼んだ、とかも。色んな見方が錯綜していたわけだ。しかし8月29日の記事では違う。ロシアが収容していたCIA工作員の遺体を引き取るためだったとの説が紹介されている。これは大手マスコミには出てこない(https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202608290000/)。C-17Aという大型輸送機を使った理由もそれで説明できるので。何しろ、今回は「極秘訪問」だったはずなのに、そんな目立つ機体で訪れたのはなぜだ?というのが疑問だったから。上述した通り、ラトクリフはプーチンには会わなかったらしいから、別の目的があったはず。

 今回のウィトコフとクシュナーは正式の特使なのでプーチンと会談している。明日辺りウクライナにも行くらしいので、停戦協議をすると見られるが、大きな進展があるかどうか。トランプは何か成果を挙げたいのだろうけれど。

4)日航123便関連の記事がISFに載った(https://isfweb.org/post-82025/)。前に書いた論旨と何も変わらないけど、NHKなどが相も変わらず同じ間違いを流すので、同じように反論するしかないのだ。この記事の件を、JCJ(日本ジャーナリスト会議)にも送るつもり。何しろ、日本のジャーナリズムは情けなくて、日航123便の疑惑を解明する気配を全然示さないので、少し尻を叩かないといけないから。