国際社会を見る目

私は、国際社会の状況に関する情報の入手と分析を、主に「田中宇(さかい)の国際ニュース解説」(https://tanakanews.com/index.html)と言うブログに頼っている。誰でも読める無料記事もあるが、私は会費を払って有料の会員記事も読んでいる。購読料は6ヶ月で3000円、月500円は、内容の価値から見て断然安いと思う。ただし、彼の書く記事は、世の中に広く出回っている大手マスコミ記事やTV番組で言われていることとは、しばしば大きく食い違う。そのため、彼を「妄想屋」「デマ源」等々と呼び、トンデモ扱いする人間も多いらしい(本人がそう書いている)。

しかし私は、彼の記事を相当に信頼して読んでいる。なぜなら、彼は情報源(主に英語情報、時には他の外国語)の出典(主にネットのURL)を必ず表示しているからだ。私はそれらをクリックして、その元ネタを直接確認することができる。つまり、読者は彼の書いた内容の真偽を、自身で直接確かめることができる。そして私の場合、読んだ範囲ではなるほどその通りだと納得できるのである。私は誰の記事でも鵜呑みすることは決して無く、疑い深い方であるが、今のところ、彼の書くものは大体正しいと思う(ただし全部ではない)。

例えば、9月10日にアップされた「多極化と米覇権低下を示した印G20サミット」と言う記事(https://tanakanews.com/230910G20.htm)は無料で誰でも読めるから、是非多くの方に読んでいただきたいものだ。種々、有用な情報が書かれている。

少し具体的に紹介しよう。例えば、前回の昨年11月に開かれたバリ島でのG20サミット以後の9ヶ月間の変化に関して、次のような記述がある。「米国側がG20など国際社会でロシア非難決議をゴリ押しすること自体が不正行為だ。ロシアが戦犯だと言う人自身が戦犯だ。非米諸国はこの9ヶ月間で、こうした事態の本質を把握するようになった。」「この9ヶ月間で、政治的にも経済的にも、米覇権の傘下にいることの馬鹿馬鹿しさが露呈した。欧州や日本が、米国が発する大間違いな話を強制的に鵜呑みにさせられている「裸の王様の家来」みたいな阿呆であることも表出した。非米諸国は、貧しいけれど対米自立できる自由を持っていた。日欧は(国が)豊かだが不自由で洗脳された哀れな傀儡だった。G7は米洗脳マシンの監獄だ。非米諸国はそれらの状況を把握した。」

この記事を読んで、ピンとくる日本人は、何%いるだろうか?上記が何を言っているかと言えば、ウクライナ戦争や地球温暖化(気候変動・脱炭素)、また新型コロナやドルに関しても、日本で流されている情報の大半は米国発のかなり偏向した内容であり、そのことをBRICSを中心とする非米諸国は良く理解しているという意味なのだ。日本ではロシアは極悪、中国も悪者で、いずれ政治的にも経済的にも没落する運命にあるとTV論者たちは自信たっぷりで言っているが、現実は必ずしもそうではない、と言うことだ。

こんな話は、NHKの国際報道や大手紙には、ほぼ絶対に載らない。何故なら、それらは米国に支配されているからだ。特にNHKの報道は、私の目から見ても、日本政府に迎合的であり、それ以上に米国政府にとって不都合な事実は決して伝えないと言う姿勢が露骨に見えてしまう。これは、少し気をつけていればすぐ分かる。今の日本のマスコミは、昔の「大本営発表」に近づいているとしか思えない。敗戦直後は、大いに「反省」したはずなのに、70数年経つと、もう「喉元過ぎて」反省もどこへやら行ってしまった観がある。具体的には、次回以降に書く。