4月の終わりに

世の中は昨日から「大型連休入り」ということで人の流れも商戦も賑やかなようだが、うちには何の関係もない。そもそも透析で29、3、6日と休日が3日潰れるし、透析病院のスタッフも曜日のみで活動しているので関係ないと言う。彼らは年末年始やお盆時期も曜日でのみ勤務形態が決まっている。例外はない。透析は曜日のみで実施日が決まっているからだ。今年など、元日が月曜だったので元日から透析を受けた。

4月は一度名古屋に出かけた以外はずっと仕事が出来たので、割とはかどったと思う。宝島社に頼まれた原稿は一応出来上がり、もう一度見直したら送る。非政府エネルギー計画の原稿と、5月18・19日の面接授業用資料の改訂が、次の仕事になる。

4月11日に送った原稿が、あるサイトに掲載されず、その理由を問い合わせたが返信がなく、今日、再度問い合わせた。原則、投稿された原稿は掲載すると書いてるのに、何故なのかを知りたいと思って。1月に別のサイトにボツにされた原稿を、そのサイトは採用して載せてくれたのに、今回の対応ぶりは何とも解せないわけだ。

まあ私のような無名の著者の場合、どうかすれば無視されると言うのはあり得る話ではあるのだが。日本に限らないかも知れないが、何を語ったかではなく誰が語ったかで世の中への影響力が全然違ってしまうことはよくある。一種の「権威主義」ではある。

4月は読書も割と充実していた。ブログにも書いたが、あの分厚い「トランスクリティーク」を読み終え、「哲学の起源」「憲法の無意識」と、柄谷本を3冊読んだ。吉村昭の「海も暮れきる」も感銘深く読んだ。今は「タックスヘイヴン」「タックスイーター」の2冊を読んでいるが、この後は「夜と霧」のフランクル関連の本を読む。ETVでフランクル特集の番組を見て、興味を惹かれたからだ。

「夜と霧」は、学生時代に読んだ本の中で、最も衝撃的な書物だった。ナチの狂気と、ユダヤ人たちの悲惨な運命、にも拘わらず、人間が生きることには意味があると説く決意の見事さ。特に、空腹その他を忘れて夕焼け空の美しさに見とれてしまうシーンには、心打たれた。以前に書いた「美」の問題は、そこに端を発しているのだ。

昨夜見た「広重ぶるう」はまだ全編見ていないが、歌川広重が売れる前はあんなに苦労していたとは知らなかった。妻の加代を演じる優香が泣かせる。良い時代劇だ。この頃、珍しいことにNHKのドラマを面白く見ている。大河ドラマ・朝ドラなど、以前は見向きもしなかったものだが、今年のは面白い。

大河ドラマ平安時代紫式部を主人公として、毎回派手な立ち回りもなく微妙な心理劇が続くのだが、これが何とも見せる。主役の吉高由里子柄本佑の熱演もあるが、他の脇役たちも絶妙な味を出してくれるのが良い。朝ドラも、珍しく法学を志す女学生を主役に、その家族や同級生たちが「濃い」味を出していて愉しい。朝ドラを真面目に見るのは「おしん」と「ふたりっ子」以来だな。この2作は素晴らしかった。そう言えば「ふたりっ子」は「光る君へ」と同じ大石静の脚本だ。どうやら私は大石静ドラマが結構好きなようだ。

5月は11~12日が義母の三回忌で旅行、18~19日が面接授業、26日がシニア会の総会と、3週続けて日曜日が潰れる。連休明けにはバスカードの更新に行き、6月の免許更新に備えて5月中に高齢者講習を受けようと思う。懸案の、部屋に積んである資料類の片付けも再開しなくては。と言うわけで、5月も結構何だかんだと忙しく過ぎて行きそうだ。