年の初めに

今年最初のブログ書き。三賀日といっても私には関係ない。昨日から透析だったし、明日も。それにしても元日から能登地方で震度7とは驚いたが、今年も波乱の出だしということかな。

娘一家のいる長岡では震度6弱と言うから、かなり揺れたらしい。

TV報道で気に入らないのは、状況説明ばっかりで、今回の地震のメカニズムなどを科学的に説明して欲しいのに何もないこと。能登地方は以前から群発地震が続いていた。地中の水が上昇して起こると言われていたが、今回のM7.6は、それが引き金になった可能性はあるとしても、従前とは何か規模も「質」も違うはずだ。その辺の説明が欲しい。今回の震源は断層幅が50km以上だろうと言われているから、その範囲も示すべきだ。今後、何らかの情報が出てくるとは思うが。それにしてもこの時代、SNS経由のデマ情報が多いと言うから呆れる。

官房長官の会見を見て、これまでの「読み上げロボット」とは違うと感じた。林は、なかなか良い。岸田みたいにチャラチャラしてない。愛想は良くないが、さり気ない気配りを見せるし、人間としての基本ができている印象だ。今後、首相の岸田より林の方が指導者っぽい、と言う声がきっと高まると予想する(政治家等の公人は敬称略)。

今回の地震で気になるのはやはり原発能登半島には志賀、近くの福井には敦賀、大飯、高浜、美浜がある。この中で特に危ないのは高浜だと思うがなあ。4基とも38~48年経った老朽機で、しかも加圧型と言う炉内圧力の高い形式なので、原子炉の「釜」がいきなり割れる心配がある。美浜も46年だけど。作ったときは30年を炉寿命の目安にしていたが、なし崩し的に40年になり、それさえも大きく越えた原発が現に動いている。直下で震度7なんて来たらひとたまりもないんだけど。福島の放射能は太平洋に流れたが、福井の原発から放射能が漏れると京阪神は壊滅の危機に襲われる。琵琶湖の水が汚染されても一大事。

安全神話」が簡単に崩れることを福島の現実で知ったはずなのに、10年経つともう忘れてる。日本人は、忘れすぎだよ。自分たちの生活基盤が、実は驚くほど脆いのだという現実を、しかと見つめる方が良い。「脱炭素」などの愚かしいことににうつつを抜かしているヒマはないのだ。そのお金をもっと有効に使え。

柄谷行人の「世界史の構造」をやっと読み終えた。素晴らしい本だった。世界史を見る目が、一気に広がったような気分。この11月に出た続編(帝国の構造)を読めば、彼の現在地点に近づけるだろう。カントって、偉いんだなあ・・と改めて実感。彼は全然読んでないが。

私の中心的な問題意識は、貧困その他、現代資本主義社会の「歪み」を如何にして改善するか、つまり新自由主義をどうやって乗り越えられるかにある。これまで、それを考えあぐねてきたが、柄谷行人に出会って、ようやく僅かながらヒントらしきものが見えてきた。

今のところ、私の見通しとしては、井筒俊彦の東洋哲学、宇沢弘文の経済学(特に社会的共通資本の論理)に、柄谷行人の思想を総合すれば、人類の未来に対して一定の考えを抱けるのではないかと考えている。

故に、今年はまず、彼らをしっかり読むつもり。あと、プラトン全集を読破したい。プラトンは弟子のアリストテレスが誤解して以来、永らく酷い誤解にさらされている気がする。彼の思想の本質を、じっくり自分のものにしたい。