柄谷行人流の経済学への理解メモ

柄谷行人の本を読みながら、経済学には詳しくない私なりの理解した内容を、思いつくままにメモしておこう。

相対的価値形態商品・・物、サービス、労働力など

     「売られる立場」にある=売れなければ何の価値もない

      商品の価値を使用価値や交換価値で説明しようとするとドツボにはまる

      労働価値で説明するのもダメ。商品の価値は、労働量だけでは決まらない

等価形態:一般的等価形態=貨幣=何にでも交換できる→だから貨幣を持つものが強い

     →守銭奴ができる理由 「買う立場」   

    →上記が絶対的条件:だから「金:キン」でさえも絶対的貨幣ではない

     大岡昇平「野火」:戦場ではタバコの葉、次に塩が貨幣になった(軍票など無価値)

     モンゴルでは、羊が貨幣:金は見向きもされない

     無人島では「お金」など無価値:何の足しにもならないから

    →貨幣が成立するのは「信用」が存在する限りにおいてである

     この信用が崩壊するとき「恐慌」が起きる=貨幣の信用が下がる

資本:自己増殖する貨幣

   貨幣→商品→貨幣+利潤 の過程で増殖する  ただし利潤と剰余価値は違う(?)

   原料・生産手段・労働力商品などによって「商品」が生まれ、これが「売れる」ことで

   利潤が得られる・・商人資本=売買で儲ける、も産業資本=製造・販売で儲ける

   区別する意味なし。それ自体は「等価交換」なのに、剰余価値が生まれる:謎

   剰余価値は、生産過程自体からは出てこないし、流通過程自体からも出てこない

         ・・そうかな?この点は、私には理解しがたい

   生産段階で、経済的価値は生まれる:原料→製品で、明らかに経済価値は上がる

         特に技術革新がある場合には

   流通段階でも、剰余価値は生まれる:必ず「儲け」を上乗せして売るから

         ただし、売れなければ無価値である だから、ここに「飛躍」がある

資本家:売る側  相対的価値形態に立たされる  「お客様は神様です」

労働者:買う側  等価形態:この過程でのみ、資本家の労働者に対する優位性は逆転する

        消費の場では、消費者は資本家に対して優位に立てる:消費者運動 不買

ここまでは一応理解できたとして、残る問題点として・・

1)経済成長をどう捉えるか? 「脱・成長論」は正しいのか?成長と分配の混同はない?

2)金融資本を制御する手段はあるのか?・・・資本主義の最終形態としての金融資本の解

3)株式・債券等の金融⇔実体経済の関係は?・・どうも関係していないみたいだが?

4)暗号資産・デジタル通貨とは? これらは未来の世界にどう影響するのかしないのか?

5)これまでの「経済学」は、何を達成し、何を達成していないのか?

 膨大な論文、難解な数学を用いた解析で、何が分かり何が未解読なのか?

 東大経済学部教授が日銀総裁を務めていながら「市場の動向を見てから判断する」しか言わないとは、要するに今の経済学では、市場の行方を予測することも制御することもできず、結果を眺めることしか出来ないという意味なのか?それじゃ一体、経済学の意味は?

いずれ経済学の専門家に教えてもらおうと思う。