今日もあれこれと

官房長官の松野氏が、辞める直前に官房機密費4000万円以上を自分に支出したって話を「しんぶん赤旗」がスクープし、国会答弁でも現官房長官が事実だと認めている。もちろん公益・国益に資する使い方をしたと本人は説明しているが、普通の庶民感覚で言えば、これは退職金代わりの「つかみ金」だろうな、と思う。税金もかからないし、こんなオイシイお金はない。

それにしても、漏れた情報が期間も金額も正確なので、そのリーク元は政権内部の実務担当者の誰かではないのか?と疑われる。公務員には守秘義務もあるから、誰が漏らしたのか、今頃、犯人捜しを血まなこでやっているかも知れない。

ただし「しんぶん赤旗」が官房機密費関係のすっぱ抜きをやったのは今回が初めてではない。2年前の21年1月に、当時の管首相が官房長官時代の約7年8ヶ月間に、官房機密費95億円超のうち86億円超を自分に支出したことをスクープしたのだ(https://lite-ra.com/2021/01/post-5755.html)。この金額はすごい!松野氏の4000万円なんて、霞んでしまう・・。

詳しくはこのリテラの記事を参照していただきたいが、この官房機密費と言うやつは、ずっと前から問題視されてきた。何しろ、毎年12億円からのカネが、官房長官の一存で、何に使ったか報告もせずに使えるんだから。むろん、原資は税金だから、本来国民は税金の使途を知る権利がある。しかし外交その他で「機密」を要する出費も必要ということで、この費目が存在する。確かに、それなりの存在意義はあるのだろう。

一方で、外交機密文書なども一定期間経つと機密解除がなされて公開されることがある。米国などでは結構しっかり公開する。これに倣って、官房機密費も、一定期間経過したら全部公開する仕組みにすべきではないかと思う。期間は、5年~10年以内程度で十分だろう。何十年も経ってからでは遅すぎる。いずれ公開されるとなれば、それほど無茶苦茶な使い方はできまい。歴史に恥をさらすことになるから。

それと、民主党政権時代に官房長官だった枝野氏あたりが、自分の在任中にはこんな使い方をしました、とか言ってくれると良いと思うが。政権によって官房機密費の使い方も違うかも知れないから、国民としては是非知りたいところだ。

他の話題として、東京五輪汚職事件で逮捕・起訴されていた髙橋治之被告が、TVや雑誌のインタビューに応じ、様々なことを証言しはじめている。私はTBSのNews23で見た。週刊文春にも載っているが、リテラの記事も面白い(https://lite-ra.com/2024/02/post-6318.html)。この証言は、かなり生々しい。相当の真実性が感じられる。

例えば、髙橋証言曰く「安倍さんは、『絶対に迷惑がかからないようにします。それは僕が絶対に保証します』と仰るのです。だから、僕は安倍さんの言葉を信じて招致に関わるようになった。それがこんなことになってしまって。正直、『参ったな。何言ってんの』という気持ちです」

 じつはこのエピソードは、1年ちょっと前にも報道されていた。安倍氏が高橋氏に招致活動を依頼する際、「大丈夫です。絶対に高橋さんは捕まらないようにします。高橋さんを必ず守ります」と約束していたと、「文藝春秋」2022年10月号が報道したのだ。このときは証言者が匿名だったこともあり、マスコミはほとんど取り上げなかったが、安倍元首相が「事件になっても高橋氏の責任は問わない」と約束していたのは、事実だったようだ。他にも、色々出ている。

このリテラの記事の終わりの方に、次の記述がある。曰く、高橋被告の証言で改めて浮き彫りになった森元会長、安倍元首相、菅前首相の関与。しかし、同時に思い知らされたのが、この国で大物政治家や国家的事業の不正を追及することの難しさだ。

濃厚な疑惑が浮上しているのに、弱腰なマスコミはほとんど報道ができず、権力に忖度する検察はトカゲの尻尾きりでお茶を濁す。その結果、疑惑の本丸は放置され、不正はうやむやになって、いつのまにか立ち消えてしまう。今回のように、少し後になって、当事者が裏付け証言をしたところで、もはや「後の祭り」でしかない。

 このままいけば、自民党裏金問題や大阪・関西万博でも同じようなことが繰り返されるだろう。

確かに、この記事の言う通りだ。前に、ある言論サイトへの投稿がボツになった話を書いたが、今の報道関係では、種々の「不都合な真実」は国民の気づかない所に隠匿されがちであることが容易に推察される。だからこそ、我々のような無名の国民も声を上げる必要があるのだ。