国内外の情勢を概観すると・・

岸田政権の迷走ぶりは相変わらず。発足以来、最低の内閣支持率に落ち込んだこんな時に、自分の給料を上げる法案を出すなんて。返納するのなら、最初から法案出さなければ良いのに。経済対策もピントのズレたものばかりだ。一般国民が喜ぶ政策が何も無い。支持率がダダ下がりなのも無理はない。1人4万円の減税と言っても来年6月の1回きりでは、誰も喜ばない。効果のある経済対策というなら、500兆円以上ある企業の内部留保を有効活用させる仕組みを作ると共に、消費税を下げることだ。これなら、支持率は一気に上がる。倍増間違いなし。

今頃になって「憲法」問題を持ち出すのもナンセンス。経済政策がダメなので争点を憲法問題にずらすなんて戦略は、国民の支持を得られるものではない。元々、多くの国民にとって憲法は関心事項の外にあり、目前の物価上昇や実質賃金の行方の方が、圧倒的に切実な問題なのだ。本当は、憲法の問題は重要で、国民主権三権分立、人権擁護、健康で文化的な生活の保障などは全部今の憲法に明記されており、改定どころか、憲法各項目に書かれた内容をいかに実質化するかが現実的な課題とさえ言えるものだ。つまり、今の憲法の課題は、どう書き換えるかではなく、今現に書かれていることをどう実質化するか、なのだ。

外交では相変わらず米国の尻尾振りしかできない。外相が偉そうに声明を読んでも、所詮G7内部での話でしかない。やはり、世界の大勢を冷静に眺める優秀なブレインがいないのが痛い。本当は、優秀な外務官僚なら当然理解しているはずのことを、大臣や副大臣が全然理解できていないのだろう。あるいは、正論を言えばクビに直結する今の体制では何も言えないか・・?

そもそも、ロシアのウクライナ侵攻を非難するなら、イスラエルの所業はその数倍強く非難されるべきだ。ロシアはウクライナの鉄道やインフラを破壊せず、市民もできるだけ殺さないように戦闘している。ガザの惨状とは比べ物にならない。イスラエルの非人道性は歴史に残る。いくらナチスに大量虐殺された歴史があっても、逆をやって良いと言う理屈はない。

ここ一月分の「田中宇の国際ニュース解説(https://tanakanews.com/index.html)」をまとめて読んだが、やはり勉強になる。ガザの状況にしても、親米一辺倒の日本のマスコミ報道では分からないことが明らかになる。仇敵同士だったサウジとイランが中国の仲裁で和解したので、サウジがイスラエルを、イランがハマスを説得して、中東和平が進められそうだ。基本的には、中国が親パレスチナ、ロシアが親イスラエルの姿勢を分担しながら、中東の安定化を模索している。米国は、次第に主役でなりつつある。こうしてみると、今年のBRICSサミットでサウジ、イラン、エジプトなどが加入した意味は大きいことが、良く分かる。中東の重要問題は、今後、米国を埒外において中露BRICS主導で解決が図られると思う。NHKの国際報道などでは、少なくとも当分、決して言わないだろうけど。