ガザ地区での紛争に関して、ハーバード大学の30以上の学生団体が、10月9日に共同で声明を発表した。その全文は以下の通り。
「我々は、次々に明らかになるすべての暴力について、イスラエル政権に全責任があると考える。
今回の衝突は、何の背景もない真空状態の中で始まったものではない。この20年間、ガザ地区に住む何百万人ものパレスチナ人は、屋外監獄での生活を強いられてきた。
イスラエル当局は「地獄の門を開く」と宣言し、ガザ地区での虐殺はすでに始まっている。
ガザのパレスチナ人は避難場所も逃げ場もない。
今後数日間でパレスチナ人はイスラエルの暴力の矢面に立たされることになるだろう。
責められるべきはそのアパルトヘイト(人種差別)政権だけだ。
イスラエルの暴力は75年間パレスチナ人の存在のあらゆる側面を規制してきた。
組織化された土地の強奪から日常的な空爆、恣意的な拘留から軍事検問所、強制的な家族分離から標的を絞った殺害に至るまで、パレスチナ人は緩慢かつ突然の死の状態の中で生きることを余儀なくされてきた。
今日パレスチナ人の試練は未知の領域に突入した。
これからの日々は、植民地的な報復に対する断固たる態度が必要となる。
私たちは、ハーバードのコミュニティーに、現在進行中のパレスチナ人絶滅を阻止するための行動を起こすよう呼びかける。」(太字は引用者の私)
これを読んで、私は大いに感心する。日本のトップ大学、例えば東大・京大の学生たちが、こんな声明を出せるものだろうか。私は京大OBなので後輩達に言いたいが、若者たちよ声を挙げよ!である。ただし、自分で歴史をよく調べ、マスコミ情報などに流されずに自分の頭で良く考えて、の話だが。
上記声明の中で「75年間」とあるのは、1948年の「バルフォア宣言」を踏まえている。これ以降、イスラエル建国、入植が始まるからだ。彼らは、歴史的経緯をよく勉強している。
それに、アパルトヘイトや植民地的との文言も入っている。これは、彼らが表面的な争いだけでなく、裏に潜む思想的問題点にまで切り込んでいることを示すものだ。
日本の学生たちにも、このレベルの、本質をえぐる声明を出して貰いたい。