今日もあれこれと

1)昨日、この1日に検査した心臓シンチの結果を聞いてきた。結果的に、心臓内の血流状態は良好だったので、心カテは中止。1年後に再検査となった。心筋内の血流を画像で見たが、特に薄くなる部分はなく負荷をかけた状態でも大きな変化はなかった。春にやったアンモニアPETの結果とも符合する。この頃息切れはしないし、少しずつ運動負荷を上げたい。最近は歩く距離が短すぎるとの自覚もある。筋トレも細々ながら続ける。筋力は以前より相当落ちているので、筋肉量をもう少し増やしたい。

ただし、心臓医たちはLDL悪玉説を固く信じていて、LDLを70以下に下げる注射をすると言っている(今は80~90くらい:正常値)。LDL関係の研究は進んできて、免疫強化に役立つことや心筋梗塞などへの影響度も以前考えられていたほど高くはなく、LDLは今の基準値上限の140くらいが一番死ににくいことが分かっているんだが。LDLが70を割ると死亡率が上がることは、疫学的にはほぼ確実だし。しばしば例外扱いされる心臓疾患も必ずしも例外ではなさそうだ。それは、心疾患の中には一種の遺伝病(FH)が含まれているからだ。FHは遺伝子異常によりLDL受容体の機能が低下または無効になり、血中からのLDL引き抜きが低下して、結果的にLDL濃度が上がる病気だ。この場合は、高LDLは病気の原因ではなくて結果なのだ。だから、FHの治療用にLDL濃度を下げても発症率は低下しなかった=効果が無かった、と言う研究結果は納得できる。

それにLDLを下げるスタチンという薬も、意外に効き目がない割りに副作用があると分かってきているのに、相も変わらず「スタチン信仰」が強い。医者には言いにくいので黙っているが、知識のアップデートが遅れているとしか言いようがない。もっと勉強してくれないと困るんだが。

その医者が言っていた、今度から注射するという薬は、どうやら去年9月に承認されたインクリシラン(レクビオ)と言う奴かも知れない。6ヶ月に一度の皮下注射により、LDLを半減させる効果があるとのこと。他にはレパーサ(エボロクマブ)と言う薬があり、2~4週に一度の皮下注射をするとあるので、こちらの可能性もある。いずれにせよ、無理やりLDLを下げても良いことはなさそうなので、出来ることなら止めさせたい。今なら、患者本人の希望なら聞いて貰えるかも知れない。たとえ医者でも強制力はないし。

2)COP29の開催国アゼルバイジャンの大統領が、欧米各国が「脱化石燃料」を唱えているくせに石油とガスをアゼルバイジャンから購入している、偽善だとこき下ろしたそうだ。全くの正論だが、参加者たちからは大非難されているらしい。去年もCOPの議長が人為的温暖化説は根拠薄いと言って大攻撃されたっけ。COPって、実に大バカの集団だな。正気の人間が凶人に見える倒錯の世界。

それに、本気で「脱化石燃料」を考えるとすれば、単にCO2削減を言うだけでは全く足りないことは、温暖化論者でも分かるはずだ。まずは一次エネルギー源をどうするか?化石燃料以外の一次エネルギー源は、自然系=再エネとあとは原子力しかない。原子力は、CO2を出さないと言っても代わりに「死の灰」が出る。こっちの方が断然始末が悪い。福島の廃炉すら目処も立たないのに、将来世代へのツケに目をつぶって原発推進に走るつもりなのか?それでは、あまりにも無責任だろうに。残るは自然系=再エネのみ。しかし再エネの多くは電力しか出力しない。燃料にもなるのはバイオマスだけだが、これは化石燃料の代わりになるほどの供給力は無いし、人間や家畜の食料供給がより重要な用途だ。

だから化石燃料がない世界では、基本的に全電力化せざるを得ないのだが、そこで困るのは熱需要(冷暖房、製鉄その他の工業用、調理など)と航空用燃料だ。熱需要は結構大きくて、日本では一次エネルギー消費の半分近くになる。つまり現状では電力ではエネルギー需要の半分しか満たせない。空調・調理などは電化できるとしても、工業用の高熱まで電力で賄うのはかなり辛い。現在灯油に頼っている暖房も、全電化では負担が重い。地熱・太陽熱などの利用が必要になる。また、航空機を電力で飛ばすのは、ドローンや「空飛ぶ車」のような、小型で短距離・短時間のものに限られる。電池が重くてエネルギー密度が低すぎるから。もっとも、液体燃料を航空用に限れば、石炭液化油だって使えるから、かなり遠い将来まで大丈夫。輸送用は、やはりクルマをどうするか、なのだ。あとは電車を最大限に利用するに限る。長距離貨物はもちろん、市内移動にもLRTを使う、とか。

それに、今の人間社会は食料生産から工業生産まで、何から何まで化石燃料依存になっているから、化石燃料無き世界を想像するのは、実はかなり難しい作業だ。

ごく単純化すれば、産業革命以前の社会形態に、現代のハイテク技術:情報技術(AI・IT)・バイオテクノロジー・再エネ(太陽光・風力・地熱その他)・工業技術(化石燃料依存でない形のものに限定)を取り入れて生きて行く社会、となるだろう。結構大変だぞ。